• 終電へ三〇歩(赤川次郎)……リストラされた係長が、DV に悩む主婦の話を聞く。トランクに遺体を入れたまま食事をした男は、車を盗まれる。さまざまな思惑を持った他人同士が交錯するドラマ。
  • スクウェア《Ⅰ、Ⅱ》(福田和代)……薬物対策課の刑事である三田は、仕事帰りの一杯が息抜き。店と妙な関係が出来ないよう、馴染みの店は作らない主義だったが、路地の行き止まりにある店の居心地が良く、何度も訪れる。しかしそこのバーテンダーには薬物の影が……。敵対しつつも時には助け合う奇妙な関係ができていく。

  • 水底フェスタ(辻村深月)……東京でモデルになった由貴美が、ロックフェスで村おこしをしている村に帰ってきた。村長の息子である主人公は由貴美に惹かれるが、由貴美が帰ってきたのは、村長選挙の不正を暴き村に復讐するためだと言う。由貴美に協力することにした主人公は、やがて、由貴美の目的がさらに別の所にあることを知る……。

  • 二十一日モグラと聖人たち(金木犀)……囚人として牢にとらわれている主人公は、実は世界を救うための聖人だった。モグラの協力を得て他の聖人を探し出すも、説得に失敗する一人と一匹。実は、説得には鍵が必要なのだが、期限はたった 21 日。雨のない国に、奇跡の恵みを降らせることが出来るか!?

  • ハロワ!(久保寺健彦)……ハローワークにはさまざまな人が訪れる。真面目に職を探す人もいれば、おしゃべりに来てるだけの人も。そんな人々のために、真剣に職を探す主人公の奮闘記。

  • 魔導師の月(乾石智子)……悪意の塊である「暗樹」は、見た目はただの樹の切れ端。しかし、言葉巧みに人の心に取り入り、ついには帝国の中枢に到達。帝国は次第にむしばまれていく。暗樹の悪意に気づいた 2 人の魔道師を追う。

  • 限界集落株式会社(黒野伸一)……金融のプロである主人公は、息抜きのために田舎に帰ってきた。過疎の村で村人と触れ合ううちに、村を何とかしたいという思いを募らせる。農業はビジネスとして難しい。それを熟知するプロが、あえて、農村改革に乗り出した。実務のプロとコンビを組んで起業するも、村人の協力を得ることすらままならない状態で、農村の未来はどうなるのか!?

面白かったのは、スクウェア、水底フェスタ、限界集落株式会社。



【 読み終わった本シリーズ 】