UTAU の主用途はもちろん音声合成による歌唱だが、UTAU の面白いところは、いろいろな方面で様々な活動が展開されていること。無限の可能性が広がっていて、わくわくする。
そもそも音源からして 5,000 種類以上。音源の中には声ではなく、ゆずぽんの栓を抜いたときのような「音」もあるが、それすらも作品と化してしまう。また、UTAU の心臓部とも言える音声合成エンジンですら、サードパーティー製が登場するが、それって最早 UTAU ではないのではという突っ込みはナンセンス。懐の深さが UTAU 界隈なのである。
そんな UTAU 近辺について、何かとんがったところがある活動を集められたら面白いなと思って、少しだけまとめてみた。
UTAU では、音源として録音された一定音階(例えば「ド」)の WAVE ファイルの音階を変換して(「ド」→「ソ」)、歌声を生み出している。しかし、録音時の音階と歌唱時の音階が離れれば離れるほど、大きな変換をすることになり、不自然な歌声になる。特に、低音への変換は UTAU の苦手分野だ。
それなら、複数の音階で 1 つの音源を作れば、変換作業が少なくて済む、というアイディアが多音階音源である。「ド」で録音された音源の場合、「ソ」に変換するには 4 音分の変換が必要だが、「ド」と「ミ」で音源を録音しておけば、「ミ」→「ソ」の 2 音分の変換で済む。
例えば、兎灯さんの音源「灯月アカリ(ひづきあかり)」は 6 音階音源だ。E4 を中心に、下は G#3 から上は E5 まで、2 オクターブ近い範囲を原音でカバーしているので、歌唱の際の変換が通常の音源と比べてぐっとすくなくなる。下の「想像フォレスト」は音源配布時の動画だが、綺麗な声で歌っている。
多音階音源は、アイディアはシンプルだが、実現にはかなりの労力が必要だ。もともと音源製作のためには、たくさんの音を録音して、ノイズ除去などの加工をして、さらに、音がベストなタイミングで鳴るように原音設定という地道な作業をひたすら繰り返す必要がある。
6 音階音源の場合、単純に計算するだけでその作業時間が 6 倍になる。さらに、音階が上下したときにも声質が一定になるように配慮が必要で、これがかなり大変なのではないかと思われる。チャレンジングな取り組みに頭が下がる。
UTAU 製作者の飴屋さんも複数のエンジンを製作しているほか、音声の研究者など第三者もエンジンを公開している。
エンジンを変えれば、当然、歌唱の雰囲気も変わるが、どのエンジンを使うとどうなるのか、を見やすくまとめてくれているのがサキノハカさん。こちらの記事がその内容。
音の傾向を説明してくれているだけではなく、動作状況・入手方法なども含め総合的に紹介してくれている。動画へのリンクもあるので、実際に自分の耳で違いを確認することも出来る。非常にありがたい記事だ。
コラボのきっかけはいろいろあると思うが、特定のテーマを決めてコラボするのも面白い。
例えば、はまちさんが運営するサークル歌に翼では、ユニット「コトリ」(楓歌コト・翔歌トリ)をはじめ、鳥に所縁のある音源をベースにした活動をしている。
鳥であれば何でもウェルカムという心の広いスタンスのようで、27 音源の大所帯で翼をくださいを合唱したりしている。
また、男声音源というテーマでコラボをしているのが百兎さん・キリカさんの男声系 UTAU 式。
VOCALOID の場合、女声音源に比べて男声音源はかなり少なく、肩身の狭い思いをしている。しかし UTAU には 5,000 も音源があるので、男声音源も数多い。
男声系 UTAU 式では、歌唱動画の製作はしていない模様。小説や、メモ帳などのグッズ製作を行っている。
ほとんどの UTAU 音源にはキャラクター設定がなされている。歌唱以外にもキャラクターを活かした活動ができるのが UTAU の面白さの 1 つだ。
そんな中で、自分の好きな曲を探すのに一番使われているのがランキング動画だろう。再生数の多い人気曲を一気になめられるので利便性が高い。反面、似た傾向の曲ばかりになりがちで、名曲が埋もれることもよくある。
そこにメスを入れたのが _Gissy さんの UTAUNOBIS。
絶対的な再生数という「規模」ではなく、各曲それぞれの注目度の「伸び」に重きを置いた、独自の基準でランキングを作成している。関連情報もまとめて表示してくれているので、次々と情報をたどっていくのもやりやすい。
もともと、VOCALOID 関連楽曲で同様のサービスを提供しており、UTAUNOBIS はその UTAU 版。
面白い活動、変わった活動、役に立つ活動など、特色のある活動がありましたら、是非教えて下さい。
そもそも音源からして 5,000 種類以上。音源の中には声ではなく、ゆずぽんの栓を抜いたときのような「音」もあるが、それすらも作品と化してしまう。また、UTAU の心臓部とも言える音声合成エンジンですら、サードパーティー製が登場するが、それって最早 UTAU ではないのではという突っ込みはナンセンス。懐の深さが UTAU 界隈なのである。
そんな UTAU 近辺について、何かとんがったところがある活動を集められたら面白いなと思って、少しだけまとめてみた。
多音階音源
UTAU の本業である「歌唱」と真摯に向き合う取り組みの 1 つが、多音階音源。UTAU では、音源として録音された一定音階(例えば「ド」)の WAVE ファイルの音階を変換して(「ド」→「ソ」)、歌声を生み出している。しかし、録音時の音階と歌唱時の音階が離れれば離れるほど、大きな変換をすることになり、不自然な歌声になる。特に、低音への変換は UTAU の苦手分野だ。
それなら、複数の音階で 1 つの音源を作れば、変換作業が少なくて済む、というアイディアが多音階音源である。「ド」で録音された音源の場合、「ソ」に変換するには 4 音分の変換が必要だが、「ド」と「ミ」で音源を録音しておけば、「ミ」→「ソ」の 2 音分の変換で済む。
例えば、兎灯さんの音源「灯月アカリ(ひづきあかり)」は 6 音階音源だ。E4 を中心に、下は G#3 から上は E5 まで、2 オクターブ近い範囲を原音でカバーしているので、歌唱の際の変換が通常の音源と比べてぐっとすくなくなる。下の「想像フォレスト」は音源配布時の動画だが、綺麗な声で歌っている。
多音階音源は、アイディアはシンプルだが、実現にはかなりの労力が必要だ。もともと音源製作のためには、たくさんの音を録音して、ノイズ除去などの加工をして、さらに、音がベストなタイミングで鳴るように原音設定という地道な作業をひたすら繰り返す必要がある。
6 音階音源の場合、単純に計算するだけでその作業時間が 6 倍になる。さらに、音階が上下したときにも声質が一定になるように配慮が必要で、これがかなり大変なのではないかと思われる。チャレンジングな取り組みに頭が下がる。
音声合成エンジン
音源とは別の角度から歌唱のクオリティを上げようとする試みが、歌唱合成エンジンの製作。UTAU 製作者の飴屋さんも複数のエンジンを製作しているほか、音声の研究者など第三者もエンジンを公開している。
エンジンを変えれば、当然、歌唱の雰囲気も変わるが、どのエンジンを使うとどうなるのか、を見やすくまとめてくれているのがサキノハカさん。こちらの記事がその内容。
音の傾向を説明してくれているだけではなく、動作状況・入手方法なども含め総合的に紹介してくれている。動画へのリンクもあるので、実際に自分の耳で違いを確認することも出来る。非常にありがたい記事だ。
テーマによる音源コラボ
5,000 の音源がばらばらに存在するのではなく、音源同士が協力すれば、作品の幅も広がる。必ずしも音源の製作者同士が協力する必要は無く、ユーザー側でコラボレーションさせても良い。コラボのきっかけはいろいろあると思うが、特定のテーマを決めてコラボするのも面白い。
例えば、はまちさんが運営するサークル歌に翼では、ユニット「コトリ」(楓歌コト・翔歌トリ)をはじめ、鳥に所縁のある音源をベースにした活動をしている。
鳥であれば何でもウェルカムという心の広いスタンスのようで、27 音源の大所帯で翼をくださいを合唱したりしている。
また、男声音源というテーマでコラボをしているのが百兎さん・キリカさんの男声系 UTAU 式。
VOCALOID の場合、女声音源に比べて男声音源はかなり少なく、肩身の狭い思いをしている。しかし UTAU には 5,000 も音源があるので、男声音源も数多い。
男声系 UTAU 式では、歌唱動画の製作はしていない模様。小説や、メモ帳などのグッズ製作を行っている。
ほとんどの UTAU 音源にはキャラクター設定がなされている。歌唱以外にもキャラクターを活かした活動ができるのが UTAU の面白さの 1 つだ。
お気に入り曲の発掘
5,000 の音源に関連する動画が毎日たくさん作られていると、とてもじゃないが全部見きれない。そんな中で、自分の好きな曲を探すのに一番使われているのがランキング動画だろう。再生数の多い人気曲を一気になめられるので利便性が高い。反面、似た傾向の曲ばかりになりがちで、名曲が埋もれることもよくある。
そこにメスを入れたのが _Gissy さんの UTAUNOBIS。
絶対的な再生数という「規模」ではなく、各曲それぞれの注目度の「伸び」に重きを置いた、独自の基準でランキングを作成している。関連情報もまとめて表示してくれているので、次々と情報をたどっていくのもやりやすい。
もともと、VOCALOID 関連楽曲で同様のサービスを提供しており、UTAUNOBIS はその UTAU 版。
事例募集
突拍子も無い UTAU 活動があちこちで繰り広げられているのだろうな、と思いつつこの日記を書いているが、残念ながら俺はそれを知らない。面白い活動、変わった活動、役に立つ活動など、特色のある活動がありましたら、是非教えて下さい。
- 音質を追い求めている
- 特定の視点で音源を整理している
- UTAU を便利にするプラグインを作っている
- UTAU のゲームを作っている
- 披露宴の BGM を UTAU にした
- UTAU で商売はじめました
- その他なんでも
ということで、左上Dです。
UTAUのキャラクターを使ったストーリー系動画であるUTAU激情シリーズを長年やってます。
実は2話ほどVECTORに上げているんで、ある意味でゲームといっても間違いではない。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5753131
それと最近、TRPGとUTAUを組み合わせた動画も上げ始めました。
UTAUと、ソード・ワールド2.0です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20660087
あともう一つ、自分のこういった動画をやりはじめたきっかけになった人の動画も推してみようと思います。
わないPの「UTAU三人娘がUTAわない」シリーズ。
こちらもまた、自分のものとは違う方向のお話動画です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3665751