ログ・ホライズン 第 1 巻「異世界のはじまり」。橙乃ままれ(著)/エンターブレイン(刊)。

オンライン PRG の中に閉じ込められてしまった主人公達の生き様を描いたライトノベル。

コマンドを選ぶだけの戦闘が、突然リアルな体験に変貌を遂げる。モンスターの息づかいが感じられ、剣もちゃんと当てるように振らないといけない。元のオンライン RPG の常識が通じない部分も多く、手探りで差異を把握していく。

とりあえず死ぬことは無さそうだと分かったが、元の世界に戻れるのかが分からない不安もあって治安は悪化。他のプレイヤーに襲われることも。

主人公の職種は付与術士と呼ばれる支援タイプ。仲間(守護戦士と暗殺者)の攻撃力を上げたり、敵の行動範囲を狭めたりする地味な職種だ。

しかし、その主人公が重要な役割を果たしている。後方から全体を見渡しながら作戦を立て、敵の弱点を分析・突破してチームを勝利に導く戦闘シーンは面白い。

敵と無駄話をしている間に、暗殺者が敵の後衛を無力化したり、敵の団結力の無さを生かして、多勢に無勢だったのをタイマンに持ち込んだり。もちろん、付与術士ならではの技もふんだんに使う。

システム上、街の買い占めが可能であったりと、続編がどうなっていくのか気になる。



作者の橙乃ままれ(とうのままれ)さんはもともと Web 作家だったようで、ネット上でいくつか作品を見ることができる。黒髪娘も面白い。ログ・ホライズンも Web にあるようだが、せっかくなので、書籍としてまとまったものを読むつもり。